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樹木の意識

樹木は、大地に張った根から水を吸い上げると、長く太い幹を経由してから更に上部へと運び、木の末端である葉脈まで水分を届けて酸素とともにそれらを大気に放出する循環を繰り返す、謂わば「水の柱」といっても過言ではありません。風雨に耐えながらその土地環境に適する様に、己の枝幹の向きを変化させて、太陽の光熱を取り入れて光合成を繰り返している作業は、思考の末にたどり着く結果である様にすら感じ取れるのです。

樹木とは「無意識」なのであろうか?

周辺の環境と樹木を照らしながら眺めていると、その形状は生きる為に極めて確信的であると思えます。人間の身体が、生活習慣や癖によって変化するのと同様に、木々の変化も無意識と言われる意識下に、その存在を誇示している気がして仕方ないのです。

Photo Yuji Kobayashi

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